こんなお悩みを解決できます!
不動産業界で働いていて、宅地建物取引士の試験に一発合格した僕が、初めてお部屋を借りる人にもわかりやすく解説しますね!
この記事を読めば、初期費用の相場が分かり賃貸物件をお得に借りる方法が分かります。
賃貸住宅を借りる際の初期費用って何がかかるの?
家賃7万円の賃貸物件を借りるときに、どんな初期費用が発生してどのくらいかかるか知っていますか?
敷金・礼金とかで10万円くらいじゃないんですか?
一般的には家賃の5~6倍の費用が掛かると言われているから、
家賃7万円の物件なら35~42万円くらいかかります。
初期費用には物件所有者のオーナーに支払う「敷金」や「礼金」だけでなく、不動産会社に支払う「仲介手数料」など、様々な費用が発生します。
そこで、今回は代表的な7つの初期費用を紹介していきます。
1.敷金
敷金とは、物件を貸し出す大家さんのリスクを担保するための費用で、家賃の1か月~2か月の物件が多いです
敷金の代表的な使われ方は、退去時に発生する原状回復費用(入居者がつけた物件の傷などを修理するための費用)や入居者の未払い家賃を敷金から補填として使われることが多いです。
なので、原状回復費用が少なく家賃の未払いがない場合は、敷金は返金してもらえます。
例えば、7万円の敷金を支払っていて、家賃の未払いがなく原状回復費用として5万円の場合、退去時に2万円が返還されます。
このように、物件を貸すオーナーが負うリスクを抑えるための費用が敷金です。
2.礼金
礼金とは、契約成立時に借主から大家さんに支払う謝礼金のことです。
こちらも相場は地域や大家さんごとに異なりますが、家賃の1か月~2か月分が相場と言われています。
「大家さんへのお礼」なので、敷金と違って退去時に返金されることはありません。
最近では、借主が物件を借りやすくするために礼金なしの物件も増えてきているので、初期費用を抑えたい方は礼金なしの物件を探してみるのもおすすめです。
3.仲介手数料
仲介手数料とは、物件を紹介や契約の手続きをしてくれた不動産会社に対して支払う手数料のことです。
仲介手数料は、法律で上限が「家賃の1か月分」と決められています。
不動産会社は大家さんと借主の双方に請求することができるので、家賃の0.5か月分~1か月分+消費税としているところが多いです。
4.前家賃
管理費や共益費を含めた翌月1か月分の家賃も初期費用として支払う必要があります。
というのも、賃貸物件では基本的に翌月分の家賃を前月に支払うような契約になっていることが多いからです。
さらに、月の途中で入居する場合は、日割り家賃が発生するので注意が必要です。
前家賃=日割り家賃+翌月の家賃
実際に、家賃7万円の物件に3月10日から入居する場合の前家賃を計算してみると
70,000円÷31日×22日+70,000円=119,677円
前家賃が発生するかどうかは、不動産会社や大家さんによって異なるので、事前に担当者に確認しておくことが重要です。
5.火災保険料
火災や水漏れや落雷などの災害による損害を補償してくれる火災保険の保険料も初期費用として発生します。
災害はいつ起きるか分からず、万が一発生した時に多額な費用が発生します。
もしもの災害に備えるのが火災保険の役割なので、加入は任意といえど加入しておくことをお勧めします。
不動産会社が指定している火災保険に加入することがほとんどですが、自分で選んだ火災保険に加入することもできたりします。
保証内容によって金額も大きく変わってきますが、2年分の保険料を初期費用と支払うことが多く、2万円程度が目安となります。
6.鍵交換費用
防犯上の観点から、新しい入居者が決まった際には鍵交換をすることが多く、初期費用に含まれていることが多いです。
鍵交換費用の相場は、1万円~2万円程度と言われています。
不動産会社が回収しているはずですが、前の住人が合鍵を持っていると危険なので、多少費用が発生しても鍵交換はしておくのがおすすめです。
7.保証料
連帯保証人を立てられない場合は、保証会社に加入する為に保証料の支払いが必要なケースがあります。
通常、賃貸物件を借りる際には家賃が未払いとならないように連帯保証人が必要となります。
- 初期費用として支払う方法
- 月々の家賃に上乗せして支払う方法
保証会社によってさまざまですが、初期費用として支払い場合には家賃の0.5か月~1か月分が相場と言われています。
その他にも、様々な初期費用が発生します。
- ハウスクリーニング代
- 消毒代
- 24時間サポート費用
- 引っ越し代
- 家具・家電の購入費
物件検索サイトには敷金や礼金をはじめとした発生する費用が記載されています。
初期費用の負担は大きいので、物件を探す際には必ずチェックするようにしましょう。
初期費用の相場とシミュレーション
賃貸物件を借りる際に発生する初期費用は理解できたと思いますが、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
一般的には、家賃の5~6か月分と言われています。
家賃7万円の物件を借りる際に、どの初期費用がどれくらいかかるのかをまとめました。
費用 | 相場 | 金額 |
---|---|---|
敷金 | 1か月 | 70,000円 |
礼金 | 1か月 | 70,000円 |
仲介手数料 | 1か月 | 70,000円 |
前家賃(月初から入居の想定) | 1か月 | 70,000円 |
火災保険料 | 2年分 | 20,000円 |
鍵交換費用 | 20,000円 | |
保証料 | 1か月 | 70,000円 |
合計 | 390,000円 |
シミュレーションと初期費用の目安
あくまで目安ですが、家賃7万円の物件を借りる際には39万円程の初期費用がかかることが分かりました。
ただ、最近では礼金0の物件も増えてきています。
SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの物件ポータルサイトでは、「敷金なし」と条件を入れて物件検索ができます。
実際にSUUMOの東京都足立区の物件で調べてみると、42.5%の物件が礼金0となっています。
鍵の交換費用や火災保険料といった抑えることができない費用もありますが、礼金不要などの物件を選ぶことで、初期費用を抑えることもできます。
初期費用を抑える方法は、後ほど詳しく解説しますね。
初期費用の払い方
次に、初期費用の支払い方法について解説していきます。
初期費用はいつ支払う?
初期費用の支払いタイミングは、入居審査通過後から3日以内というケースもあれば、2週間以内と不動産会社ごとに異なります。
正当な理由なく支払いが遅れてしまうと、最悪の場合、契約が破棄されることもありますのでご注意ください。
支払方法は銀行振り込みじゃないとダメ?
初期費用の支払いは、銀行振込だけでなくクレジットカードでもできるケースがあります。
初期費用のクレジットカード払いは大東建託グループが2013年に開始し、2021年からエポスカードも「家賃保証サービス」をスタートさせています。
そういった背景もあり、初期費用をクレジットカードで支払いできる不動産会社は増えてきています。
メリット①:ポイントが付く
クレジットカードで初期費用を払うメリットの1つ目は、ポイントが付与されることです。
先ほど紹介したエポスカードの「家賃保証サービス」で39万円の初期費用の支払いができると1,950ポイントのポイントが付与されるケースがあります。
貯まったポイントの使い道には、以下の方法があります。
- マイルに変換できる
- 商品券と交換できる
- 携帯料金や公共料金のお支払いから割引できる
銀行振り込みだと1ポイントも付与されないので、ポイントが付与されるのはクレジットカードで支払うメリットといえます。
メリット②:分割払いができる
賃貸物件を借りる際に39万円ほどの初期費用が一括支払いとなると、多くの人の悩みとなるでしょう。
しかし、分割払いができると負担を軽減でき物件を借りるハードルを下げることにもつながります。
一括での支払が厳しいという方は、クレジットカード払いができないかを確認してみましょう。
デメリット①:カードの上限にかかりやすい
クレジットカードで支払いができとメリットがある一方、デメリットもあります。
1つは利用上限にかかりやすいことです。
賃貸物件を契約する際には、引っ越し費用や家具の購入費用などその他の費用がかかることが多いです。
そのため、クレジットカードの利用限度額を超えないように注意する必要があります。
デメリット②:手数料が発生する
2つ目は手数料が発生することです。
分割払いで初期費用の負担を軽減できますが、手数料や金利が発生してしまいます。
分割払いによる手数料が発生するかどうかは、不動産会社との契約内容などによって異なってくるので、事前にかくにんしておくようにしましょう。
初期費用を抑える方法
これまで初期費用の内訳や支払い方法をお伝えしてきました。
39万円も一括で払えないよ~
こんなお悩みを抱える方がたくさん出てきたと思います。
賃貸物件の初期費用は決して安くないので、これからは初期費用を抑える5つの方法をご紹介していきます。
敷金、礼金ゼロの物件を探す
敷金・礼金がかからない物件を選ぶことで初期費用を大きく抑えることができます。
東京都足立区の敷金・礼金なしの物件数をまとめました。
項目 | 物件数 | 物件比率 |
---|---|---|
全物件 | 57,946戸 | – |
敷金なし物件 | 24,607戸 | 42.5% |
礼金なし物件 | 39,307戸 | 67.8% |
敷金・礼金なし物件 | 17,877戸 | 30.9% |
スマホが普及したことにより、借り手の物件比較が容易になりより条件のいい物件を探しやすくなりました。
その結果、空室を埋めるために敷金・礼金なしとする大家さんが増えてきました。
合計すると2か月分ほどの費用になるので、物件を探す際には敷金や礼金なしで探してみるといいかもしれません。
仲介手数料ゼロの物件を探す
初期費用を抑える2つ目の方法は、「仲介手数料ゼロ」の物件を探すことです。
仲介手数料も0.5か月分~1か月分かかることが多いため、無料にできると初期費用を大きく抑えることができます。
仲介手数料がかからないパターンには大きく以下の2つあります。
- 貸主から1か月頂いている場合
- 不動産会社が所有している自社物件の場合
フリーレント物件を選ぶ
フリーレント物件を利用して初期費用を抑える方法もあります。
フリーレントとは「入居後の一定期間は家賃が無料になる物件」のことです。
東京都足立区のフリーレント物件の件数は以下の通りです。
項目 | 物件数 | 物件比率 |
---|---|---|
全物件 | 57,946戸 | – |
フリーレント物件 | 1,618戸 | 2.79% |
敷金や礼金不要の物件に比べると、フリーレント物件の数は少ないですね。
1か月~3か月間が無料期間としているところが一般的ですが、借り手が見つからない対策としてフリーレントがとることが多いので、ご自身の条件に合う物件を見つけるのは難しいかもしれません。
また、一定期間家賃が無料となるために条件が付いていることがあったり、管理費や共益費は発生するなど、注意が必要です。
ただ、一定期間の家賃が無料となるのは、賃貸物件を借りるうえで大きなメリットとなるので、ぜひ参考にしてみてください。
大家さんに交渉する
閑散期に物件を借りる場合は、大家さんに交渉してみるのもおすすめです。
- 閑散期の5~8月に交渉する
- 複数の不動産会社から見積もりを取る
- 初期費用を値引きしてもらうメリットを提示する
- 値引き交渉はメールで記録を残す
賃貸仲介は5月~8月の時期が閑散期になるので、入居者が見つからないと悩んでいる大家さんが少なくありません。
そのため、礼金や家賃の値下げに応じてもらえることもあります。
反対に、1月~3月は進学や就職・職場の異動などで引越しをする人が多いので、条件の交渉は難しいです。
正当な理由があれば値下げ交渉をしても問題ありませんが、無理な交渉はカスハラや失礼になるので控えましょう。
分割払いにする
クレジットカードでの分割払いを利用することで、初期費用の負担を軽減できます。
3回から36回までと分割回数を選べるので、
一括で約40万円払うのは厳しいなぁ
こんな方は、クレジットカード払いを検討してみてください。
東京都足立区だと、全体の約4割の物件は初期費用をクレジットカードで支払いができます。
項目 | 物件数 | 物件比率 |
---|---|---|
全物件 | 57,964戸 | – |
初期費用カード払い可の物件 | 24,549戸 | 42.4% |
分割払いができるだけでなく、ポイントが溜まったりとクレジットカード払いには現金で支払うよりもメリットがあります。
一方で、「保険料はクレジットカード払い不可」といった条件があったり、分割払いの手数料がかかるなどの点には注意が必要です。
自治体の助成金を活用する
引っ越し代に対して数十万円の助成金を設けている自治体もあります。
- 子育て世帯
- 新婚世帯
- ひとり親世帯
- 失業中の方
対象者は様々ですので、ご自身が助成金の対象となっているかは事前に確認しておくようにしましょう。
また、自動的に補助金を受けられるわけではありません。
「自分が補助金の対象なのか?」「いくら補助を受けられるか?」「どのような手続きが必要か」など自治体に正しい情報を確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、賃貸物件を借りる際に必要な初期費用について解説してきました。
- 初期費用にはどんなものがあるのか
- 相場とシミュレーション
- 支払いについて
- 初期費用を抑える6つの方法
ただし、不動産会社や大家さんによって発生する費用や支払い方法などは変わってくるので、必ず不動産会社に確認するようにしましょう。