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賃貸借契約の更新料はいくらかかる?値下げ交渉の4つのポイントを解説。

賃貸物件の更新について、こんなお悩みや疑問を抱えている方は少なからずいらっしゃいます。

不動産業界で働いていて、宅地建物取引士の試験に一発合格した僕が、初めてお部屋を借りる人にもわかりやすく解説しますね!

同じ賃貸物件に2年間住み続けると、契約更新をする必要があり、入居者の中には、このタイミングで引っ越しを検討する方もいらっしゃいます。

なぜ、契約の更新が必要になってくるのでしょうか?

本記事の前半では「契約更新にどれくらいの費用が発生するのか?」を、後半では「契約更新の流れ」について詳しく解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めてください!

目次

賃貸物件の更新は2年に1度発生する

ほとんどの賃貸物件では契約期間があり、その期間が過ぎると契約更新をするケースが多く更新料が発生します。

そのため、契約期間満了後に同じ物件にそのまま住み続けるのか?、それとも別の物件に引っ越しするのかを決めなければなりません。

賃貸物件の契約期間やなぜ更新料が発生するのかを解説していきます。

契約更新は2年に1度がの物件が95.5%

賃貸物件の契約期間は、2年となっている物件がほとんどです。

引用元:SUUMO

借地借家法という法律の影響や賃貸物件を借りる人のライフサイクル的にも2年がちょうどいい期間のようです。

実際に、国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」では95.5%の物件が2年契約のようです。

4年生大学の学生だと、3年更新よりも2年更新の方がいいですよね。

更新料は月々の家賃を抑えるための費用

なぜ賃貸物件の契約更新時に更新料を払う必要があるのかについて、2011年の最高裁判所では、以下のように述べられています。

更新料は賃料とともに賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。

つまり、更新料とは「賃貸物件に継続して住み続けるための費用」と考えられるのです。

2年ごとに新しい賃貸物件に住み替えるとなると、とんでもない費用が掛かりますからね。

賃貸物件の更新料と相場

2年に1回発生する更新料ですが、賃貸物件を借りる初期費用とどっちが安いのでしょうか?

更新料と初期費用があまり変わらないなら引っ越ししてもいいかも

そんな疑問をお持ちの方のために、更新料でどれくらいの費用が発生するのかを見ていきます。

更新料

更新料は、家賃の0.5か月分~1か月分発生することが多いですが、地域によって大きく変わってきてきます。

少し古いデータにはなりますが、2018年に東急住宅リース株式会社とダイヤモンドメディア株式会社が実施した調査によると、関東圏では更新料が発生する物件が多い一方、九州や関西(京都を除く)では更新料がかからない物件が多いのです。

引用元:全国の賃貸マンション

不動産に関する費用は、発生する金額・発生するかどうかは地域によって差が大きいですね。

その他費用

賃貸物件の更新の際に、更新料以外に発生するものは以下の費用が挙げられます。

更新料以外に発生する費用
  • 更新保証料
  • 保険料

①更新保証料

まず一つ目が、保証会社と契約している場合に発生する更新保証料です。

連帯保証人が立てられずに保証会社を使っている人や、保証会社への加入が入居義務となっていた人に発生する費用で1万円が目安と言われています。

保証会社や連帯保証人については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。

賃貸契約の連帯保証人とは?役割や保証会社との違いと対処法を徹底解説!

②保険料

賃貸物件に入居する際に加入した保険も契約期間が2年間のことが多く、賃貸物件の更新のタイミングで再度契約するケースが多いです。

補償の範囲にもよりますが、保険料は2年間で1万円~2万円が目安となります。

更新にかかる費用の相場

賃貸物件の更新時に発生する費用をおさらいすると、以下の費用が発生することが多いです。

  • 更新料  :家賃の0.5~1カ月分
  • 更新保証料:1万円
  • 保険料  :1~2万円

契約している物件が家賃7万円の場合に発生する更新料を計算すると

7万円×1か月+1万円+2万円=10万円

不動産を借りるには初期費用や更新料など、たくさんの費用が発生しますね。

契約更新で約10万円発生してくるので、お金が足りないとならないように、毎月少しずつ準備しておくのがおすすめです。

更新料の値下げ交渉をする際の3つのポイント

更新料でいきなり10万円もかかると生活が厳しいという人もいるのではないでしょうか?

そんな人のために、更新料の値下げ交渉方法について解説していきます。

値下げ交渉できるか?

そもそも、賃貸物件の更新手数料は値下げ交渉ができるのでしょうか?

結論、交渉は可能ですが、非常にハードルが高いと考えられます。

更新料の交渉ハードルは高い
  • 2011年の最高裁の判決で「1年更新で2か月分の更新料が適法」との見解がある
  • 大阪高裁では、「1年更新で3.12か月分の更新料は適法」と判断している

実際の裁判でこういった実例があるので、更新料の値引きは難しいケースが多いと思います。

値下げ交渉する際の3つのポイント

更新料の値下げ交渉は難しいですが、交渉する際には3つのポイントがあります。

交渉の3つのポイント
  • 交渉のタイミング
  • 値下げ根拠を明確にする
  • 更新料だけでなく家賃も交渉する

一つずつ見ていきましょう

①交渉のタイミング

1月~3月は賃貸業界で繁忙期のため、費用面での交渉は受け入れられないケースが多いです。

探している人が多い時期で、値引きしなくても借りてくれる人は宅さ似ますからね。

そのため、更新料に限らず費用面での交渉をする場合は、閑散期の5月~9月がおすすめです。

引用元:TATSUJIN

次の入居者が見つかりづらく、家賃収入を得るために大家さんも賃貸物件に住み続けてほしいからです。

②値下げの根拠を明確にする

交渉をする際には、必ず根拠を明確にしておきましょう。

値引き交渉の根拠
  • 周辺の家賃相場との比較
  • 周辺状況の利便性の低下
  • 更新料を下げてくれたら、次の更新まで住み続ける

今住んでいる物件の家賃が相場より高いのであれば、「他の物件に引っ越します」と交渉材料になりますし、近所のスーパーが閉店して利便性が低下した場合なども交渉の余地はあります。

また、長く住み続ける意思がある場合は、大家さんも家賃収入が安定して入ってくると安心できるので、値下げ交渉に応じてくれる可能性があります。

値下げしてもらった場合は、途中解約はしないように心がけましょう。

③更新料だけでなく家賃も交渉する

契約書に更新料が明記されていて交渉が難しい場合は、家賃交渉をしてみるのも一つの手です。

その際に過度な値下げ交渉をしてしまうと、大家さんからの印象も悪くなるので、家賃の5%以内を目安にするといいです。

家賃7万円の物件の場合や、3,500円以内の交渉にしましょう。これでも年間で、42,000円も費用を抑えることができます。

賃貸物件を更新する時の4つの手続き

期間満了の2か月ほど前から賃貸物件の更新手続きをする必要があります。

手続きの流れは以下の通りです。

STEP
更新通知の受け取り

契約満了の1か月~2か月前に届くことが多いです。

STEP
必要書類の提出

届いた更新通知を確認して、問題がなければ印鑑を押して返送してください。

STEP
更新料の支払い

支払期日までに更新料を支払います。

STEP
関連契約の更新

保険や保証会社の更新が発生する場合は、忘れずに対応しましょう。

①更新通知の受け取り

契約満了日の1~2か月前に、大家さんから「更新通知」が届きます。

引用元:ReDocs

もし、1か月前になっても届かない場合は、一度不動産会社に問合せしてみましょう。

②必要書類の提出

更新通知が届いたら、必要事項を記載して期日までに返送しましょう。

この時、契約内容に変更がないかは必ず確認した上で、印鑑を押すようにして下さい。

最近は土地代の上昇に伴い家賃も上昇しているので、契約更新のタイミングで家賃が上がるケースもあるからです。

ちなみにLIFULL HOME’Sによると、東京23区の単身者向け物件の家賃は1年で約1万円上昇しています。

引用元:LIFULL HOME’S

関東に限らず、全国的に家賃は上昇傾向にあります。

③更新料の支払い

「更新通知」を送付したら、更新料を振り込みが必要です。

必ず期日までに支払いを済ませましょう。

④関連契約の更新

更新料以外にも、更新保証料や保険料などの費用が発生する場合は、こちらも忘れず支払いをするようにしましょう。

賃貸借契約の更新以外にも支払いが発生するものがあります。

更新料を支払わないとどうなる?

更新手続きを忘れていたり、支払いが厳しく未払いの場合はどうなるのでしょうか?

更新手続きを忘れても自動更新となる

賃貸物件の更新時期が来ていることを忘れて、更新手続きをしなかった場合はどうなるのでしょうか?

借地借家法という借主保護の法律により、解約にならず自動更新となります。

更新のタイミングで別の物件に引っ越すため、解約する場合は必ず入居者から解約の申し入れが必要です。

退去日の1か月前までに退去連絡が必要とされていることが多いですが、物件により異なるので、不動産会社に確認しましょう。

解約の連絡が遅れて、1か月分多く家賃を払うことにならないように気を付けて下さい。

遅延金の支払いや契約解除に繋がりケースも

賃貸借契約の中に更新料の支払いに関して記載があるにもかかわらず、未払いとなると遅延金を含めて支払いを求められたり、最悪契約解除で退去しなければならない場合もあります。

支払いができるよう、計画的に更新料を貯めておくべきですが、万が一支払いが厳しい場合は、すぐに不動産会社や大家さんに相談しましょう。

まとめ

この記事では、賃貸物件の更新について詳しく解説してきました。

  • 賃貸物件で発生する更新料とは何なのか?
  • 更新料の相場について
  • 更新手続きの4ステップ
  • 更新漏れの場合、すぐ退去になるのか?

更新料も初期費用同様、決して安い金額ではないです。

今借りている物件は更新料が発生するかどうかを確認してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

【経歴】
食品会社から不動産業界に転職。2024年に宅地建物取引士の試験に一発合格。

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