初めて賃貸物件に住む人や退去する人はこういったお悩みがあるのではないでしょうか?
不動産業界で働いていて、宅地建物取引士の試験に一発合格した僕が、わかりやすく解説しますね!
賃貸物件を借りる際に不動産会社と手続きが必要になりますが、電気やガス・水道についても利用開始の手続きが必要です。
難しそうに感じるかもしれませんが、すべてインターネットでできますし、わからなければ電話で何をすればいいか確認することもできます。
そこで、記事の前半では「入居時にやるべき手続き」を、後半では「使用するうえで知っておきたいことや注意点」について詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んて下さい。
電気・ガス・水道を使うために入居前~入居時にやること
賃貸物件への入居が決まったら、なるべく早めに行うべきなのが電気・ガス・水道の契約です。
期待を膨らませて、入居した時にこれらが使えないとショックが大きいですよね。
自分は最初の引っ越しで、初日に電気が使えなくて、暖房をつけれず寒い中ダウンジャケットにくるまっていました。
まずは、各インフラの使用の流れについて解説していきます。
電気使用までの流れ
まず最初に電気の使用について解説していきます。
現代で様々な架電を使っており、電気なしでは生活ができないので、必ず入居後すぐに使えるように手続きを済ませておきましょう。
電気使用の手続きは、たったの3ステップでできるので、難しいことはありません。
まずは、使用する電力会社を決めましょう。
インターネットで手続きができるケースが多いです。入居の3日前までに済ませておきましょう
入居後ブレーカーを入れるとすぐに電気を使えます。
①利用する電力会社を決める
従来は、地域の電力会社と契約するしかなかったのですが、2016年から電力の小売り自由化により電力会社を選べルようになり、より電気料金の安い電力会社との契約ができるようになりました。
月々の電気料金が安くなる一方で、どこの会社が自分の生活スタイルに一番合っているのか判断できない人も多いです。
大手の電力会社だけでなく、特定の地域に強い電力会社もあってよくわかりません。
そういった人のために、電気料金のシミュレーションサイトはたくさんあるので、一度ご自身の生活スタイルからどこが一番お得なのか調べてみるといいでしょう。
②Webサイトから手続き
電気使用の手続きはWebサイトからも可能です。
入力フォームに必要事項を記入すれば、3営業日ほど経つとから電気の使用が可能となります。
- お名前
- 生年月日
- 連絡先
- 住所
- 契約アンペア数
自分はENEOS電気を使っています!電気料金も抑えられていているので、満足ですね!
③ブレーカーを入れる
申し込みが完了して、入居したらブレーカーを入れるとすぐに電気の使用が可能です。
そのため、電気の使用については基本的には使用開始日に立ち会いはありません。
ブレーカーを入れる順番は、以下の順番でつまみを「入」にしていきます。
- アンペアブレーカー
- 漏電ブレーカー(漏電遮断器)
- 配線用ブレーカー(配線用遮断器)
最近では、スマートメーターを導入している物件が多く、電力会社が遠隔で通電してくれます。
スマートメーターは便利ですが、入居時の申し込みを忘れていると入居時に数日間電気が使えなくなります。
3月は引っ越しも多くなるので、余裕をもって手続きをしておきましょう。
ガス使用までの流れ
次にガスの利用手続きについて解説していきます。
都市ガスを使う場合は会社を選べることが多いので、どのガス会社を使うか決めていきましょう。
利用するガス会社のWebサイトから利用申し込みをします。
入居日に業者の立ち合いのもと、開栓作業を行うことで利用できるようになります。
①使用するガス会社を決める
都市ガスについても、電力同様に2017年に小売りの自由化が実現したことで、どのガス会社でも契約できるようになりました。
電気のところで紹介した「エネチェンジ」はガス料金のシミュレーションもできます。
住所と世帯人数を入力するだけで、複数のプランを出してくれるため、とても参考になります。
②Webサイトから申し込みする
気に入ったプランが見つかったら、Webサイトから申し込みをしていきます。
入力項目は電気の申し込みとほとんど同じですが、ガスの場合、開栓作業の日程を決める必要があります。
平日にしか対応できない業者もあるので、事前に予定を確認しておくといいでしょう。
③開栓作業を行い、利用開始
ガスの利用開始時には、開栓作業や点火確認などを行うため、大きな事故につながる可能性があります。
そのため電気とは異なり、使用開始時に立ち合いが必要になりますが、特段やることはないので安心してください。
3月や4月の引っ越し繁忙期には、予約が取れないことも多いので、要注意です。
水道使用までの流れ
最後に水道の使用手続きについてです。
水道は近くの水道局と契約する必要があり、電話や郵送・インターネットによる申請ができます。
賃貸物件の場合、郵便受けに「水道開始申込書」が入っていることが多いので、これを使うと便利です。
自分は毎回申込書を使って手続きをしています。
必要事項を記入して申請するだけで立ち合いも不要なので、電気やガスのようにプランを決める必要もありません。
賃貸物件で電気・ガスを使用する際に知っておきたいこと
水道は近くの自治体の水道局と契約するだけなので特段迷うこともないと思います。
一方で、電気やガスについては、自由に会社を選んで契約できたり、各社様々なプランを紹介できるので、迷うこともあるでしょう。
そこで、電気とガスの契約について知っておくべきことをまとめました。
賃貸物件で電気を契約する際に知っておきたい2つのこと
①電気会社は自由に選べる
先ほどお伝えした通り、2016年4月から賃貸物件であっても電力会社を自由に選べるようになりました。
多くの会社から選べますし、一つの会社でも様々なプランを提供しているので、比較検討の幅が広がり、よりお得に電気を使うことができます。
しかし、契約内容によっては利用する電力会社を選べないケースもあります。
- 大家さんと電力会社が契約し、電気代を大家さんに支払う場合
- 物件が「高圧一括受電契約」で契約している場合
自分が前に住んでいたハウスメーカーの物件では、①にあたり大家さんに電気代を支払っていました。
これらに該当する場合は、指定の電気会社を使うことになります。
電力会社を選べるのかは、入居前に不動産会社に確認しておくといいでしょう。
②契約するアンペアの変更方法
電気の契約でよく聞く「アンペア(A)」ですが、どういうものか理解していますか?
理科の授業で習った気はするけど、覚えてないです。
アンペアは一度に流れる電気の量を表す単位です。
そのため、アンペアの数値が小さいと複数の架電を使った場合、停電になることが多く、逆にアンペアの数値が大きければ一度にたくさんの架電を使うことができます。
一番最初に住んだ物件では、3つ以上架電を使うと停電してました。
アンペアの数値が高いとその分電気代も高くなってくるので、ご自身が使う分を検討したうえで、契約するようにしましょう。
入居後にもアンペアの変更は可能なので、変更する場合は電力会社に連絡をしてください。
賃貸物件でガスを契約する際に知っておきたい3つのこと
ガスの契約については、物件ごとに「都市ガス」か「プロパンガス」のどちらを使っているかが異なります。
2つのガスの違いを図解で表したものを載せていますので、ぜひ理解しておきましょう。
①都市ガス
都市ガスは、地下のガス管を通ってガスを供給する仕組みで、料金が比較的抑えられるのが特徴です。
地下にガス管を引く必要があるため、開けた地域でなければなりません。
奥まった住宅だと都市ガスは使えないことが多いです。
②プロパンガス
プロパンガスは、ガス管が通っていない地域にボンベを配送して供給する仕組みです。
都市ガスと違って、ボンベを配送して設置しなければならないため、都市ガスに比べて料金が高い傾向にあります。
最初に住んだ物件がプロパンガスで、一人暮らしで8,000円くらいのがガス代がかかっていました。
しかし、最近では災害後の復旧スピードが都市ガスと比べて早いことから、プロパンガスの需要が増えているようです。
③同じ会社で電気とガスを契約すると安くなることもある
消費者が自由に電気・ガスを利用する会社を選べるようになり、両方を提供している会社が増えてきました。
そのため、同じ会社で電気とガスを契約するとお得になるセットプランを提供している会社も多いです。
今では、新しく参入した会社だけでなく大手電力会社もガスの供給をしています。
同じ会社で契約することで、料金が安くなるだけではなく、支払いが1社になるため家計管理がしやすくなるといったメリットもあります。
ぜひ検討してみてください。
電気・ガス・水道の契約時の注意点
電気の無断使用
従来タイプの電気メーターを使っている物件だと、「無断使用」にならないように注意が必要です。
スマートメーターだと、電力会社が遠隔で通電作業をするので問題ないのですが、従来のメーターだとブレーカーのON・OFFの切り替えでだけで電気が使えます。
そのため、内見時に通電しておりブレーカーを落とさないと、入居者が手続きをしなくても使えてしまうのです。
この状態が続くと「無断使用」になり、高額な請求が来ることになるので、必ず電気の利用開始時には電力会社に連絡をするようにしましょう。
都市ガスとプロパンガスで同じコンロは使えない
以前ご自身でコンロを購入された方は、入居先でも同じコンロが使えるかは確認をする必要があります。
というのも、コンロの種類とガスの種類が異なると危険だからです。
- 火災の原因
- 一酸化中毒リスク
- コンロの故障リスク
コンロの修理には人件費や部品交換代などで1万円~2万円ほどの費用がかかりますし、火災や一酸化中毒にまで発展すると大事になります。
これらの危険を冒さないように、ガスの種類とコンロの種類があっているかは必ず確認しましょう。
確認方法は2点あります。
①製品ラベルで確認する
1つ目は製品ラベルで確認する方法です。
以下の画像のように、「都市ガス」もしくは「LPガス」と記載されています。
ここを見ると、ガスコンロの種類を確認できます。
②ガスホースの色で確認する
都市ガスとプロパンガスでガスホースの色が異なるのをご存じでしょうか。
都市バスの場合は薄いピンク色、プロパンガスの場合はオレンジ色になっています。
ガス栓とコンロの種類を間違えないようにしっかり確認しましょう。
賃貸物件を退去する際にやるべきこと 2選
物件を退去する際には、電気・ガス・水道で解約の手続きをしなければなりません。
①利用停止の手続き
利用停止の手続きは、インターネットや電話ですることができます。
手続きには以下の情報が必要になりますので、事前に準備しておきましょう。
- 氏名
- お客様番号
- 利用停止予定日
- 連絡先
- 閉栓希望日
お客様番号は検針票に記載されているので、捨てずに保管しておきましょう。
停止の連絡は、余裕をもって利用停止日の1週間前までには連絡するようにしましょう。
②同じ会社を利用する場合は、変更手続きも可能
電気やガスの場合、物件は変わるけど同じ会社のサービスを使い続ける場合は、契約変更で対応できることが多いです。
現在の登録情報と引っ越し先の住所などの情報が必要になります。
ネットから簡単に手続きできるので、同じ会社を利用し続ける人は変更手続きで済ませてしまいましょう。
まとめ
「入居時にやるべき手続き」と「使用するうえで知っておきたいことや注意点」を解説してきました。
- ガスの利用開始には立ち合いが必要ですが、繁忙期は日程の都合がつきづらいので早めに立会日を決めましょう。
- 電気とガスはどの会社でも自由に契約できるので、ご自身のライフプランにあった企業・プランで契約すると費用を抑えられます。
利用開始手続きと聞くと難しく感じるかもしれませんが、全てネットで簡単にできるので、入居物件が決まったらすぐに進めると良いでしょう。
分からないことは電話で確認できますし、電話での手続きもできます。
後回しにすると、利用開始が間に合わなかったり、ガスの開栓立ち合いの予定が合わないこともあるので、入居が決まったらすぐに対応するようにしましょう。