不動産業界で働いていて、宅地建物取引士の試験に一発合格した僕が、初めてお部屋を借りる人にもわかりやすく解説しますね!
最近では、犬や猫を飼う人が増えており、2024年12月20日の日本経済新聞でもペット市場は拡大しているとの記事が出ています。
自分も猫を2匹飼っています。めちゃくちゃ可愛いですよ!
しかし、ペットを飼っていると大家さんや近隣住民とトラブルになるケースも出てきます。
そこで、記事の前半では「ペットを飼える物件」を、後半では「ペットを飼うメリットと注意点」について詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んて下さい。
賃貸物件でもペットは飼えるのか?
住民とのトラブルを避けることができれば賃貸物件でもペットを飼えます。
そこで重要なのが物件探しです。
ここでは、「ペット可」「ペット相談可」「ペット同居型マンション」の3つの物件について解説していきます。
ペット可の物件を選ぶ
ポータルサイトで物件を探すときに目にする「ペット可物件」とは、大家さんがペットの飼育を認めている物件のことです。
ペットの飼育条件が明確に決められており、家賃が相場に比べて高めに設定されているケースが多いです。
室内で猫1匹のみ可能、2匹以上はNGといった条件があります。
飼育数やペットの大きさが決められていることが多いので、入居前に確認しておきましょう。
ペット可の物件以外でもペットは飼えるの?
ペットが飼える物件は、ペット可物件だけではありません。
最近ではペットを飼う人が増えてきたため「ペット相談可」「ペット同居型マンション」といった物件も出てきています。
①ペット相談可
基本的には飼育を許可していないが、大家さんと相談の上ペットの入居を許可するか判断する物件を「ペット相談可」物件と言います。
入居者が見つからない物件の「空室対策」として、後付けされていることもあり、建物のつくりや材質が通常の物件と同じな場合もあります。
猫は爪とぎで傷をつける可能性がありNGといった物件もあります。
不動産ポータルサイトのSUUMOを使って、2024年12月24日時点の東京都足立区の物件ペット相談可の物件数を調べてみました。
項目 | 物件数 |
---|---|
全物件 | 55,402物件 |
ペット相談可物件 | 14,021物件 |
全体の物件数の約25%がペット相談可の物件になっています。
ペットの飼育を検討している方は「ペット相談可」物件も視野に入れてもいいかもしれません。
②ペット同居型マンション
ペット同居型マンションは、ペットとの暮らしを前提に建築されたマンションのことで、「ペット共生型マンション」と呼ばれることもあります。
- 他の入居者の理解を得やすい
- 共用スペースにペット用の設備が設置されていることもある
- 家賃が割高になる傾向にある
「絶対にペットを暮らしたい!」といった方にはおすすめなのが「ペット同居型マンション」です。
賃貸物件で飼いやすいペットとは?
ペットには犬や猫、ウサギなど様々な種類の動物がいます。
賃貸物件の場合、物件は大家さんに返さなければならないため、傷をつけないことや、隣人がいるためうるさくないことなど考えることは様々です。
賃貸物件ではどんなペットが飼いやすいのでしょうか?
大きな声で鳴かず省スペースで飼えるペットがおすすめ
賃貸物件でペットを飼う場合は、大家さんや近隣住民に迷惑をかけないかを考えなければなりません。
ペット飼育が認められている物件であっても、鳴き声がうるさかったり臭いがしてしまうと、近隣トラブルになる可能性があります。
それと同時に、ご自身で育てなければならないので、飼いやすさも重要です。
- 鳴かない、もしくは鳴き声がうるさくない
- 臭いがきつくない
- 省スペースで飼うことができる
飼いやすいといっても、全くトラブルにならないわけではないので、物件の入居時や新しく飼おうと考える際には、必ず不動産会社に相談するようにしましょう。
賃貸物件で飼いやすいペット 5選
賃貸物件でペットが飼えることはわかりましたが、飼育するとなるとお世話や必要な費用、近隣トラブルなど考えることはたくさんあります。
近隣トラブルになりづらく、賃貸物件でも飼育しやすいペットを紹介していきます。
①ウサギ
ウサギと言えば小学校で飼育しているイメージを持つ人が多いと思います。
おとなしい子が多く、お世話も餌やりと水の取り換え、トイレの掃除と非常に簡単で飼育しやすいのが特徴です。
その影響もあってか、アニコム損害保険によると同社のペット保険契約しているウサギの頭数が2016年以降急激に増えています。
②ハリネズミ
ハリネズミは体長が15~30cmほどと小柄で非常にかわいらしく、スペースをあまりとらず、鳴き声も小さいので近所トラブルになりづらいのが飼育するうえでの魅力です。
一方で、気温の変化に敏感でエアコンや暖房の使用には要注意ですし、、皮膚が弱かったりと非常に繊細なので、病院代が高くなるケースがあります。
近隣トラブルにはなりづらいですが、お世話が少し大変かもしれません。
③フェレット
フェレットは、イタチ科の小動物で、近年ペットとして非常に人気です。
体調が30~50㎝と少し大きめですが、省スペースで飼えますし、めったに鳴くこともないので近隣トラブルも安心です。
好奇心旺盛な性格で非常に活動的なので遊ぶことが大好きです。
しかし、排泄物の臭いが強いためしっかりトイレを覚えさせる必要があるのと、フェレット特有のにおいがあるので、お迎えする前に必ず確認しておきましょう。
④ハムスター
ハムスターは、10㎝ほどと非常に小柄で小さなケージでも飼育することができます。
そのため、1Kなどの比較的狭い部屋に住んでいる人でも飼育しやすく、鳴き声も小さいため近隣トラブルにはなりづらいでしょう。
ハムスターは夜行性なので、日中は寝ていて夜に活動的になります。
お仕事をしている人にとっては、一緒にいる時間がとても長く感じると思います。
注意点としては、縄張り意識が強いのでケンカにならないよう多頭飼いは避けるようにしましょう。
⑤猫
今まで紹介した動物の中だと猫は大きい方ですが、室内で過ごすことが多く、騒音になりづらいため飼育しやすいペットとして非常に人気です。
その証拠に、ペットフード協会が発表している「2023年(令和5年)全国犬猫飼育実態調査 結果」によると直近5年間で猫の飼育頭数は約30万頭増えています。
日中外出することが多くても留守番もできるので、忙しい人でも飼育しやすいのが魅力です。
賃貸物件でペットを飼うメリット
ペットはただ可愛いだけでなく、飼育することで得られるメリットがたくさんあります。
ストレス解消になり精神的に安定する
現代は、仕事や家事に追われ心に余裕がなくストレスを抱える人が多いです。
ペットと過ごす時間はそんなストレスを忘れさせてくれて、心の安定につながります。
Forbes JAPANによるとペットは健康や幸福度の向上に8つの影響を与えると言われています。
- 身体的な健康が向上する
- ストレスと不安が下がる
- 血圧とコレステロールが下がる
- 規律正しくなる
- 幸福度が上がり、憂鬱(ゆううつ)な気持ちが減る
- 社会交流の機会が増える
- 免疫系の改善とアレルギー予防になる
- 子どもの成長を支援する
引用元:Forbes JAPAN
自分も最近猫と住み始めたんですけど、可愛すぎて毎日写真を撮っています。
こういった効果もあり、ペットを飼っている人が増えているのかもしれませんね。
賃貸物件でペットを飼う際の注意点 4選
メリットがある一方で、飼育する際の注意点もあります。
退去時の費用に関わってきたり、近隣とのトラブルになる可能性もあるので、事前に把握しておきましょう。
①原状回復費用が高くなる可能性がある
ペットを飼っていると、どうしても床や壁に傷をつけてしまうケースが多いです。
自分も猫を飼ってるんですけど、部屋の床に爪痕がたくさんついてます。
こうなると、退去時の原状回復費用として請求される金額が高くなってしまいます。
なるべく物件に傷をつけないように、定期的に爪を切ってあげたり、カーペットを敷いたりして物件に傷がつかないように気を付けましょう。
②騒音問題がトラブルになりやすい
トナリスクが666名にインターネットで行った「ペットと近隣関係」についての調査結果によると、犬や鳥を飼っていると「鳴き声が迷惑」と感じている人が多いことが分かりました。
鳴き声だけでなく、家の中を走り回ると下の階に音が響きます。
防音マットを敷くなどの対策をして、近隣住民の迷惑にならないように努めましょう。
③2日以上家を空ける際は、預け先を検討しておく
一人暮らしで、家を空けたときにペットの面倒を見てくれる人がいないと心配ですよね。
お世話を頼める人が近くにいればいいのですが、県外から引っ越してきた人だとそうもいかないでしょう。
事前にペットホテルの場所を確認し、長期で不在にする際には預けるなど対策する必要があります。
しかし、環境の変化に弱い動物もいるので、注意が必要です。
ペットの鳴き声が近隣トラブルにつながるケースもあります。
④猫を飼う場合、飼育費用は年間12万円ほどかかる
ペットの飼育には少なからず費用がかかってきます。
「猫」を飼う場合で飼育費用をシミュレーションしてみました。
・フード代 :5,000円/月
・おやつ代 :1,000円/月
・おもちゃ代:1,000円/月
・消耗品代 :3,000円/月
月々1万円ほどかかるので、年間では約12万円になります。
このほかにも、ワクチンを年一回摂取するのに5,000円かかり、急な治療が発生した際には治療費が発生します。
経済的にもしっかりと育てられるのかを考えたうえで飼うかどうかの判断をするようにしましょう。
内緒でペットを飼うとどうなるのか?
内緒にしていればバレないだろうと思い、こっそりとペットを飼っている人もいるかもしれません。
実際に飼うとどうなるのでしょうか?
内緒で飼うと裁判になることもあります。
管理規約でペットが禁止されている場合には、絶対に飼わないようにしてください。
内緒にしていればバレないだろうと思っても、気づいたら広まっていて、裁判になるケースもあります。
実際に「小鳥や魚以外の飼育を禁止する」という規約があるマンションで、犬を飼っているのがばれて裁判になったことがあります。
こうなると、その物件には住み続けられないので退去せざるを得なくなるので、ペット可の物件を探すようにしましょう。
まとめ
「ペットを飼える物件」と「ペットを飼うメリットと注意点」を解説してきました。
- ペット可物件だけでなく、「ペット相談可」「ペット同居型マンション」など、ペットと一緒に暮らせる物件は多い
- 一緒に暮らすことでメリットもある一方で、近隣トラブルにつながるケースもあるので注意が必要。
近年ではペットと一緒に暮らす人が増えているので、今後「ペット可」「ペット相談可」「ペット同居型マンション」といった物件は増えてくるのではないかと考えています。
そうなったときに、ご自身もペットも大家さんや近隣の方も気持ちよく生活できるように気配りをしていけるといいですね。
これからペットを飼おうと考えている方は、お世話をすることはもちろん、周りに迷惑をかけないためにはと考えることも重要になってきます。