不動産業界で働いていて、宅地建物取引士の試験に一発合格した僕が、初めてお部屋を借りる人にもわかりやすく解説しますね!
不動産業界で働いている経験から、優良物件の探し方だけでなく物件探しの注意点をお伝えするので、物件探しで重要なことが分かり失敗しない物件選びの方法が理解できます。
優良物件は優先する条件によって異なる
新しく住む家は、どうせなら優良物件がいいですよね。
しかし、住む人によって優先する条件が異なるので、「この物件は優良物件だ!」と言い切ることはできません。
一般的に優良物件と言われる物件の特徴は以下の通りです。
- 徒歩5分以内の駅近物件
- 竣工したての新築物件
- 近隣に施設が充実している物件
- 日当たりが良く室内が快適な物件
僕は新卒のときに、人事が決めた家に住むことになりエリアは少し不便でしたが、駅にも近いし新築でしたし個人的には優良物件でした。
今回の記事では、こんな優良物件に巡り合う為の方法を解説していきますね。
優良物件を探すための3つの準備
賃貸物件を探す際には、いきなりポータルサイトで探したり不動産会社に訪問してはいけません。
ポータルサイトには何千・何万件の物件がありますし、不動産会社からはたくさんの物件を提案されるので、やみくもに探してしまうとあなたにぴったりの物件と巡り合うことはできないからです。
「これだけは譲れない」といった条件を決めておくことで、スムーズに物件探しを進めることができますよ。
必ず決めておくべき3つの条件を解説していきます。
①家賃の上限を決めておく
物件探しをするうえでまず初めにすることは、家賃の上限を決めることです。
家賃は毎月発生するので、収入に対して無理のない範囲で決めなければなりません。
一般的には、家賃の目安は手取りの3分の1と言われているので、手取りが20万円の人の場合、家賃の目安は以下の通りです。
20万円÷3≒6.7万円
それ以上の家賃になると生活が厳しくなってしまいますので、まずは家賃の上限を決めましょう。
②住みたいエリアを決めておく
次に住みたいエリアを決めておきましょう。
都心で電車移動がメインの方であれば、駅に近い物件が人気な傾向にありますが、地方で車移動が多い方の場合は、駅までの距離はあまり重視せずに、家賃や次に説明する間取りなどを重視してもいいかもしれません。
また、自治体によって受けれる制度も変わってきます。
『日経xwoman(クロスウーマン)』と日本経済新聞社が2023年に実施した「共働き子育てしやすい街ランキング」によると、千葉県松戸市は「子育て支援」が充実した自治体として全国で1位となっています。
順位 | 自治体 | 点数 |
---|---|---|
1位 | 松戸市(千葉県) | 84点 |
2位 | 宇都宮市(栃木県) | 83点 |
3位 | 豊橋市(愛知県) | 82点 |
4位 | 神戸市(兵庫県) | 81点 |
5位 | 羽村市(東京都) | 80点 |
このように通勤や通学だけでなく、受けられる制度などを確認してエリアを決めるのも一つの手です。
③間取りや建物の構造を決めておく
「どれくらいの広さの部屋が何部屋必要か」といった間取りを気にする人は多いですが、建物の構造まで気にする人は意外と少ないです。
間取り
一人暮らしであれば、ワンルームでも問題ないかもしれませんが、、家族や同居人がいると必要な間取りは変わってきます。
- 最低でも1LDKは必要
- 在宅勤務が増えたから、仕事部屋が欲しい
- 子どもができることを考えると3LDKは必須
間取りは、ご自身のライフスタイルを考えて検討することがおすすめです。
建物構造
建物の構造は、主に「木造」「鉄骨」「鉄筋コンクリート」「鉄筋鉄骨コンクリート」の4種類あります。
学生の頃は、木造の物件に住んでいて、上の階の人の生活音がうるさくてなかなか夜に眠れませんでした。
木造物件は、特に上の階の人の足音は聞こえるので、気になって眠れないという人は2階以上や木造以外の物件を選んだ方がいいかもしれません。
賃貸物件を探す2つの方法
賃貸物件の探し方には、大きく2つあります。
- ポータルサイトやSNSなどのネットで探す方法
- 不動産会社に直接行って紹介してもらう方法
賃貸物件をネットで探す方法と不動産会社に行って探す方法の2つを解説していきます。
賃貸物件をインターネットで探す4ステップ
優良物件を、不動産ポータルサイトを使って探す方法について解説していきます。
まずは、自分が住みたいエリアを市区町村単位で設定します。
次に、「家賃」や「間取り」など詳細条件を設定します。
表示された物件がご自身の譲れない条件と一致しているかを確認してください。
最終的に気に入った物件があれば、お問い合わせする。
今回は、2不動産ポータルサイトのSUUMOを使って探す方法をお伝えします。
他のポータルサイトでも同じように探すことができますので、ぜひ参考にしてください。
①物件を探すエリアを設定する
まず初めに、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて住みたいエリアもしくは沿線を決めていきます。
探しているエリアによって家賃は大きく変わってきます。
一例として、東京都足立区と埼玉県草加市で同じ間取りの家賃を比較してみました。
エリア | 家賃(ワンルーム,1K,1DK) |
---|---|
東京都足立区 | 7.4万円 |
埼玉県草加市 | 6.4万円 |
やっぱり東京の家賃はめちゃくちゃ高いですね。
一駅違うだけでも1万円近くも家賃が変わってくるので、エリア決めは重要です。
②詳細条件を設定する
次に、「家賃」や「間取り」、その他譲れない条件を設定して物件を絞り込んでいきます。
物件を絞る条件として、以下の項目が良く設定されていますので、ご参考にしてみてください。
- バス・トイレ別
- 駐車場有
- 宅配ボックス
- エアコン付き
③詳細情報を確認する
物件が絞れたら、次は気になった物件の詳細情報を見ていきます。
物件の写真や間取りが確認できるだけでなく、発生する初期費用や駅までの必要時間などいろいろな情報が分かります。
④気に入った物件にお問い合わせを入れる
ご自身が気に入った物件を見つけたら、お問い合わせを入れましょう。
人気な物件だと、翌日には他の人が契約していることもあります。
物件を探す前に決めた、譲れない条件を満たしている物件があれば、お問い合わせを入れましょう。
賃貸物件を探す際のおすすめサイト 3選
ポータルサイトを使った物件の探し方をお伝えしてきました。
探し方は分かったけど、おすすめなサイトってありますか?
おすすめな不動産ポータルサイトは3つあります。
ポータルサイト | 特徴 |
---|---|
SUUMO | 日本最大級のポータルサイトで物件数が最も多い |
LIFULL HOME’S | 家賃相場チェック機能がある |
at home | 掲載している不動産会社が最も多い |
それぞれのポータルサイトの特徴を紹介していきますね。
①SUUMO
SUUMOの特徴はなんといっても、掲載物件数が最も多いことです。
2024年12月17日時点では、全国で8,723,547件の賃貸物件が掲載されています。
これだけの物件数があれば、あなたにぴったりの物件がきっと見つかるはずです。
どのポータルサイトを使うか迷ったらSUUMOで探しておけば、まず間違いありません。
②LIFULL HOME’S
LIFULL HOME’Sは、家賃相場や街の情報が豊富な不動産ポータルサイトです。
2024年12月17日時点では、6,461,496件もの物件が掲載されています。
物件探しだけでなく、家賃帯や街の情報を詳しく知りたいといった方はLIFULL HOME’Sを使ってみてはいかがでしょうか?
③at home
地域密着型のポータルサイトのat homeは、2024年12月17日時点では2,677,753件の物件を掲載しており、61,815店もの不動産会社がat homeに掲載しています。
掲載数ではSUUMOやLIFULL HOME’Sに劣るものの、at homeにしか掲載していない不動産会社もあるので、他では見つからない物件が見つかるかもしれません。
不動産会社で優良物件を探すコツ
賃貸物件を探すもう一つの方法は不動産会社に行って探す方法です。
- 条件は決まったけど、いい物件が見つからない
- ポータルサイトは物件数が多すぎて決められない
- 最後の決め手が分からない
こういった方は、不動産会社のスタッフに提案してもらうことで優良物件に出会えるかもしれません。
不動産会社のスタッフは何百・何千人の人と物件探しをしてきたので、「この人ならこんな物件があってるかも」という勘がとても鋭いんです。
物件探しの条件を伝える
一番大切なのは、あなたの物件探しの条件を正しくお伝えすることです。
「一人暮らしで間取りは狭くてもいいから、家賃6万円以内に抑えたい」といった条件で探しているのに「2LDKで家賃10万円の物件」を提案されても、困りますよね。
不動産会社のスタッフは物件提案のプロですが、どんな条件かが分からないと最適な物件を提案することはできません。
- 家賃
- 間取り
- 住みたいエリア
- その他、重視する条件(在宅勤務があるから書斎がほしい など)
その後はスタッフから、いろいろと質問してくれるケースが多いので、上記の4つだけは必ず伝えましょう。
ネットで見つけた物件を紹介できないか聞いてみる
ネットで見つけた気に入った物件があれば紹介できないかを聞いてみるのもいいでしょう。
ネットに出ていない物件でも、不動産会社が紹介できるケースは多々あります。
僕も引越しの時に不動産会社から提案された物件ではなくて、自分が探した物件を紹介できるか聞いたら、紹介してもらえました。
積水ハウスのシャーメゾンや大和ハウスのDroomといったハウスメーカーの物件は、人気ですが紹介できる不動産会社が多いです。
最低2件以上は不動産会社をまわってみる
複数の不動産会社に行ってみると、より自分に合った物件選びができます。
実際に、SUUMOのデータによると、約4割の人が2件以上の不動産会社を訪問しています。
「案内時の対応」や「自分の意図を汲みとってくれるか」など、スタッフとの相性もありますからね。
時間はかかりますが、2つ以上の不動産会社で物件相談をすることで、納得度の高い物件探しができるケースが多いです。
不動産会社を選ぶ際の注意点
最後に、不動産会社で物件を探す際の注意点は「自分の条件を無視した物件を提案してこないか」です。
特に「上限の家賃を超えた物件を提案されていないか」には要注意です。
最近ではほとんどいませんが、自社で管理している物件に入居させたり、家賃が高い物件だと不動産会社の売上も高いので、誘導するスタッフもいたります。
ご自身の条件と合っていればいいのですが、そうでない場合は、きっぱり断りましょう。
内見でチェックするべき2つのポイント
ここまで、ポータルサイトや不動産会社で優良物件を探す方法について、紹介してきました。
しかし、物件を決める際には、内見をしてみてどう感じるかという観点も重要になってきます。
駅からの道のりや室内の日当たりは実際に行ってみないとわからないですからね。
そこで、内見をする際のポイントと持ち物を解説していきます。
①内見時のチェックポイント
内見時に必ず確認しておきたいポイントは、大きく2つに分かれます。
- 建物のチェックポイント
- 周辺環境のチェックポイント
建物のチェックポイント
内見する際のチェックリストは、様々な会社やメディアが出しています。
以下はUR賃貸住宅が運営しているURくらしのカレッジのチェックリストです。
個人的には家具や家電の設置を考えて「間取り」をよく考えるのが大事だと思います。
同じ間取りでも、部屋の作りによって広さの感じ方は変わってきます。
また、南向きの物件でも近くに大きな建物があると日が当たりづらいケースもあるので、日当たりも実際に内見してみないとわかりません。
1日の生活をイメージすることで、入居後とのギャップを抑えることができます。
周辺環境のチェックポイント
周辺環境のチェックも重要です。
一人暮らしの社会人であれば、帰りが遅くなり自炊が難しいかもしれないので、遅くまで空いてるスーパーがあるといいかもしれません。
一方で、お子様がいらっしゃるご家庭だと、街灯がなく暗い夜道だと子どもの帰宅が心配ですよね。
- 遅くまで空いてるスーパーがあるか
- 街灯はあるか
- ゴミ捨て場はきれいか
- 駅までの時間と道のり
ゴミ捨て場があれていると、アパートの治安が悪い可能性があるとも言われているので、必ず確認しましょう。
内見時に必ず持っていきたい2つの物
内見時に準備しておきたいものは様々ありますが、その中でも特に重要な2つのものを紹介していきます。
①スマートフォン
内見に限った話ではありませんが、内見時に気になった場所をあとで見返せるようにスマートフォンで写真を撮ることは必須です。
写真を撮ることで、別の物件との比較もしやすいです。
②メジャー
家具の設置や配置の際に、長さを図れるようにメジャーを準備しておきましょう。
僕は洗濯機と給水用の蛇口の高さが合わず、焦った経験があります。
こうならないようにも、あらかじめ内見前に家具のサイズを測り、設置できるか確認するためにメジャーは必須です。
賃貸物件を探すうえで注意したい落とし穴 3選
①条件に優先順位をつける
一番最初にお伝えした物件探しの条件ですが、どの条件が最も重要かの優先順位をつけることが大事です。
- とにかく家賃を抑えたい → 家賃が最優先
- 会社への通勤時間を抑えたい → 住むエリアが最優先
僕は一人暮らしの時家賃を抑えたかったので、会社までの通勤時間は長くなってました。
一番優先したい条件を満たすために、そのほかの条件は妥協することも優良物件に巡り合うには必要になってきます。
②物件の仮押さえはできない
気に入った賃貸物件があっても、基本的には仮押さえはできません。
賃貸における仮押さえは「入居申し込み」と考えられていて、この後にキャンセルをすると違約金が発生するケースがあります。
安易に仮押さえをしてしまうと不要な費用が発生してしまうので、物件の仮押さえはせずに本当に気に入った物件に申し込むようにしましょう。
1~3月の繁忙期は、たくさんの人が物件を探しているので吟味しつつも素早く決めることも大事です。
③初期費用は総額を聞いておく
賃貸物件を借りる際の初期費用は、契約前に不動産会社に確認しておきましょう。
というのも、初期費用は家賃の5~6倍ほどかかってくるので、家賃7万円の物件の場合、40万円前後の費用が発生します。
7万円×5カ月=35万円
7万円×6カ月=42万円
簡単に払える金額ではないので、どれくらいの費用がかかるのか?どんな支払方法があるのかは知っておきたいです。
初期費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
賃貸住宅の初期費用って何がいくらかかる?内訳と抑える方法をご紹介。
まとめ
この記事では、賃貸物件で優良物件を探すコツと内見時に注意することを詳しく解説してきました。
- 条件を洗い出す際のポイント
- 賃貸物件の探し方
- 内見時の注意点
物件探しでは、ご自身の譲れない条件を決めることが最も大切なので、この記事を読んだらすぐに条件の洗い出しをしてみてください。